4:1 Un-Unを実際に作製して、VNWA3で測定してみた。
FT140-43に、撚ったワイヤーを8回巻いてみた。 LCRメータで、インダクタンスと線間容量を測定した。
Lopen=49.9uH、Lshort=0.12uH、C=36.4pF。
Lopen、Lshortは、それぞれ2次巻き線をオープン又はショートした時の1次側のインダクタンス。
結合係数は、k=sqrt(1-Lshort/Lopen)で求めた。 k=0.999。 結合係数の値は、想像していたより大きかった。
測定したインダクタンスと結合係数の値を代入して、Qucsでシミュレーションしてみると..
すばらしい特性のUn-Unができた!!..と思ったけど..
作製したUn-UnをVNWA3で測定し、touchstoneファイルをexportしてQucsで表示してみると..
ずいぶん様子が違っている。 周波数が上がるにつれて、負荷抵抗が1/4の値からずれているし、信号源からみたリアクタンスが容量性になっている。
リアクタンスが容量性になっているので、線間容量を追加してシミュレーションしてみた。
実測に近くなったので、やっぱり線間容量の影響がでているようだ。
とういう訳で、撚り線を使えば結合容量が1に近づいて、理想的なUn-Unができると思ったけど、結局線間容量のせいで理想からは離れたUn-Unになってしまった。
ただ、実際に使用する場合には、送信機とUn-Unの間にはATUが入っているので、容量成分があっても、負荷抵抗がきっちり4:1になっていなくてもなんとかなると思う。 挿入損失をみると、1.9MHzから50MHzまで-1dB以下に収まっているので、マッチングさえ取れれば実用上問題ないと思われる。
今回の実験は、手持ちのコアの関係でFT140を使用したが、パワー的にもたなそうなのでFT240で再度試作する必要がある。 コアが入手できたら、実験してみたい。