VNAW3で測定した結果をQcusで検証してみた。
VNWA3で、56.7pFのコンデンサを測定した。 周波数は、1MHz~99MHz。
Smith Chartの数値表記は複素反射係数なので、以下の図のようになる。
Smith Chartの数値表記は複素反射係数なので、以下の図のようになる。
謎の図形に見えるけど、中央が反射0、右端がオープンで1、左端がショートで-1、上端がj1、下端が-j1の直交座標になる。
容量値の測定結果は、1MHzで56.1pF、99MHzで71.58pFとなった。
これをQucsでシミュレーションしてみると..
QucsのSimth chartの数値表記は、上が極座標で、左が中心からの長さ、右が角度。 下はインピーダンスで、Zは、絶対値、右が位相角となっている。
表示されている数値から容量値を算出してみると、
1MHz c = 1 / (2 x Pi x 1e6 x 2.81e3) = 56.6pF
99MHz c = 1 / (2 x Pi x 99e6 x 28.4) = 56.6pF
また、角度の数値から反射係数としての座標を求めると、
1MHz x = cos(-2.04) = 1.0 y = sin(-2.04) = -0.036
99MHz x = cos(-121) = -0.515 y = sin(-121) = -0.857
実測とシミュレーションの差は、1MHzではそれ程大きくないが、99MHzではかなり大きくなっている。
この差を考えてみると、シミュレーションでは理想的なCであり、一方実測では、浮遊リアクタンスがあちこちにぶら下がっている状態と考えられる。
そこで、インダクタを導入したシミュレーションを行ってみた。
VNWA3での測定結果から、99MHzの角度を求めると
180-arctan(0.75/0.67)=131.8 となる。
Qucsには、Parameter Tuningという機能があるので、それを使用して99MHzのS11の角度が測定結果と同じ程度になるように調整してみた。
さらに、Lが8.65nHの時のそれぞれの値を再度計算してみると
容量
1MHz c = 56.6pF
99MHz c = 69.9pF
反射係数
1MHz x = 1.0 y = -0.036
99MHz x = -0.656 y = -0.754
となった。 かなり実測値に近い値で、測定値がずれるのは9nH程度の浮遊インダクタの影響らしいということがわかる。
という訳で、Qucsは、かなり有効に使えそうだな..。