ローディングコイルを挿入して、ワイヤーアンテナのマルチバンド化をしていましたが、コイルを挿入したり、スルーしたりと切り替えが必要でした。
前回、MMANAでかなりいい加減にアンテナインピーダンスのシミュレーションを行いました。 結果をつらつら眺めている時、送信機側から見たアンテナインピーダンスの実部が50Ωに近い方がマッチングがとれやすいのでは..と思いました。 技術的根拠は、全くありません。
上はMMANAで求めたアンテナインピーダンスの計算結果です。 全てのバンドでインピーダンスが50Ω以上というわけではありませんが、概ね50Ω以上になっています。
そこで登場するのが、所謂、Un-Un(Unbalance-Unbalanceインピーダンス変換器)です。
ATUを使う前提なので、ワイヤーアンテナとATUの間にUn-Unを挿入してやればアンテナインピーダンスのインピーダンスが低くなり、マッチングが取れやすくなるのではないかという考えです。
4:1と9:1のUn-Unで実験してみました。
外観は、こんな感じです。 (9:1 Un-Un)
コア材や巻き数など、”えいやっ”で決めています。
具体的な接続方法を幼児レベルの画像で示します。
作製したUn-UnをATU(FC-40)とアンテナワイヤーの間に挿入してみたところ、9:1は、3.5~28MHzで、4:1は3.5~50MHzでマッチングが取れました。
一発勝負にしては、めずらしく大成功です! これで、バンド切り替えでベランダに出る必要はなくなりました。
ちなみに、1.9MHzですが、SWRが上がらず一瞬マッチングが取れたか..と思いましたが、送信部ファイナルの保護回路が働いたせいかパワーが出ていないという状態でした。
さすがにこの短さでは、1.9MHzは無理なようです。
今回、適当に適当に作製したUn-Unでラッキーなことにワイヤーアンテナのマルチバンド化に成功してしまいました。 結果オーライでもいいのですが、気が向いたらUn-Unの通過特性やコア材の妥当性など、検討してみたいと思います。