トロイダルコアに左右対称に巻いたコモンモードフィルタの特性を測定してみた。
コアは、FT240-43。 定性的には、同相モードでは、磁束が同じ方向になるのでインダクタンスが大きくなり、差動モードでは磁束が逆方向になるので、インダクタンスが小さくなる(理想的には0)と考えられる。
で、それぞれインダクタンスをLCRメータ(測定周波数200kHz)で測定してみると、
同相モード 161.1uH 差動モード 11.0uH
となった。 上の写真からわかるように、完全に対象になっていないので漏れ磁束が発生し、差動モードでもインダクタンスが発生していると考えられる。
それぞれのモードでのインダクタンスの周波数特性をVNWAで測定してみた。
同相モード
7.1MHz付近に自己共振周波数が認められる。
差動モード
自己共振は、24.2MHzになっている。 予想していたよりも周波数特性が悪い。 これだと差動モードでも信号が減衰するように見える。
ちなみに伝送特性を測定してみると、
24MHzでは、23dBも減衰している。
結論として、このタイプのコモンモードフィルタは、同相、差動とも減衰特性があるので、例えばDC電源ラインのフィルタとして使用するのが良さそうだ。