並列共振によるマッチング回路を実際に作製してみた。
使ったのは、10年ぐらい前に購入した10kボビン。
シールドケースが付いたこんなやつ。 何に使うつもりで購入したのか覚えていないけど、実際にこれでコイルを巻いた記憶がない。
50Ω:3kΩのマッチングトランスだから、巻き線比は、1:8程度。 1次側2回、2次側16回とした。 本来、並列共振回路は、負荷Qを決めて、それからインダクタンスを計算して巻き数も求めるんだけど、今回は巻き線比だけで決めた。
インダクタンスを測定したら、1次側0.06uH、2次側4.14uHとなった。
2次側インダクタンスから10.7MHzで共振するようにコンデンサを選定。 手持ちのコンデンサで1番近い値の51pFとした。
決まった定数でシミュレーションしてみると、抵抗成分は、41.4Ωとなった。
リアクタンス分が少し残っているけど、ほぼ1:8に変換されている。
次に、10.7MHzのクリスタルフィルターの入出力インピーダンスを測定して確認した。
VNWA3のマッチングツールを使って測定した。 マッチングツールの値を3kΩにすると、左図のような特性になった。
次に、マッチングトランスを使って実際に回路を作製した。
ほぼ、空中配線..
測定結果
インピーダンスは、Qcusでのシミュレーション結果とほぼ一致した。
ただ、挿入損失が-2dBとやや大きい。
インダクタンスが低いトランスでも、並列共振回路を使えばマッチングが取れることがわかった。