VNWA3は、ポートのインピーダンスが50Ωに固定されている。 しかし、測定したいフィルタ等の入出力インピーダンスは50Ωとは限らない。 そういったデバイスを測定する際には、LCによるマッチング回路を使って測定していた。
LCによるマッチング回路は、挿入損失はほとんどないが、マッチングが取れるのは設計した周波数1点だけになる。
そこで、抵抗によるマッチングパッドでどの程度測定できるのか、シミュレーションしてみた。
このマッチングパッドを追加して、クリスタルフィルタをシミュレーションしてみると..
センターの減衰量が27.44dB増加した。 これは、マッチングパッドの減衰量と同じ。 縦軸が違うので、減衰特性が異なっているように見えるが、数値で見ると減衰量が27dB程度増えただけでほぼ同じになっていた。 ただ、入力インピーダンスの周波数依存性が全く見えなくなっているが、これは正しい結果なのかな..。
LC回路によるマッチング回路にくらべて、インダクタを巻かなくてよいこと、周波数依存性がないことなど、結構メリットがありそうだ。
VNWA3のダイナミックレンジは、マニュアルによると~500MHzで90dB程度あるので、十分有効な方法だと思う。