前に抵抗とコイルをVNWA3で測定したことを投稿しましたが、その時の謎が解消しました。 気が付いてみれば当然の結果でした。
抵抗の測定結果を再掲します。
通過特性が-3.63dBになっています。 抵抗比で計算すると、20*log(0.5)ですから-6dBになるので一致しないという結果でした。
これは、VNWA3の測定が以下の回路の時を基準にしてキャリブレーションしているためです。
20*log(V(b)/V(a)) = 20*log(50/(50+50)) = -6dBとなり、これを0dBとしているので、想定結果から-6dBだけ補正することになります。
50.3Ωの抵抗を測定する場合には、以下の回路になり、
20*log(V(c)/V(a)) = 20*log(50/(√150.3^2+0.32^2)) = -9.56dBとなり、補正分を引くと-3.56dBでVNWA3での測定値とほぼ一致します。
次に、コイルの測定です。
20*log(V(c)/V(a)) = 20*log(50/(√101.11^2+105.81^2)) = -9.33dBとなり補正すると、-3.33dBとなりVNWA3での測定値とほぼ一致します。
結局は、以前の計算では信号源インピーダンスを考慮せずに計算した結果で、完全な勘違いでした。
また、今更ながら気づいたのですが、7MHzでのRealZが意外に大きいということです。 コイルのDC抵抗は、LCRメータで測定すると0.02Ω程度なのですが、7MHzでのRealZは1.11Ωになっています。 これを考慮すると、DTCの測定結果とシミュレーション結果が一致しないことも説明できるかもしれません。